生と火入れについて3

生酒、あるいは火入れという言葉を耳にされたことがありますでしょうか?
当蔵でも、同じ種類のお酒でも、生しかないもの、火入れしかないもの、
両方あるものと様々で、よくお客さんにも聞かれます。

 

そこで今回はその違いについてお伝えします。

 

日本酒は酵母の力を借りて造るわけですが、
瓶詰されたお酒にも酵母は入っており、活動を続けています。
そのまま放置しておくと、その働きによって、どんどん酒質が変わっていきます。
そこで、どうやって酵母の働きを弱め、酒質を安定させるか、です。

 

方法としては2通りあります。
1つが60〜70°Cに加熱してやり、酵母菌の数を減らし、熟成の度合いを抑える方法です。これが「火入れ」です。
店頭に常温で置いてあるお酒です。

 

生と火入れについて4

もう1つが酵母菌が活動しにくい低温にしてやることで、これが要冷蔵のお酒、「生酒」です。
酵母菌の数を減らしたわけではないので、常温に戻してやると、酵母菌は活性化し、酒質を変えていきます。
ですから、他の要冷蔵の食品と同様、温度管理に気を配ってやらないといけません。
特にアルコール添加をしていない純米酒のほうが、より注意を要します。

 

「火入れ」のほうも、可能な限り低温で、急激な温度変化の少ない環境にしておいてやると喜びます。気になる味わいですが、一般論として、火入れしたもののほうが生酒よりもあっさりするようです。