酒造

~酒造分、BYと表記されています。毎年7月から翌年6月が酒造年度とされています。例えば今年新酒のできた平成22年3月現在ですと、「21 酒造分」となるわけです。BYは「Brewing Year」の略です。日本では、西暦、元号、さらには年度表記と、日にちの特定がただでさえややこしいのですが、酒造年度が加わると、さらに拍車がかかります。

アルコール分

昔ながらの上撰、佳撰などは、15~16度が地酒メーカーでは一般的でした。万人受けする、飲み易い度数なのかもしれません。一方で加水をしない原酒は 17~19度(稀に原酒で15~16度というものもありますが)あり、飲み応えがあります。嗜好品ですので、どちらが旨いかということは言えませ ん。実際に飲んでみられて、自分の好みを見つけていただけると嬉しいです。

日本酒度

日本酒に含まれる糖分を数値化したものです。一般的に+なほど辛口になりますが、アルコール度数や旨味成分によっても味の感じ方は変わってきますので、あくまで目安です。

酸度

酸の量です。酸度が高いと、甘味が打ち消されるため、辛口に感じます。

原料米

(酒米について)をご覧ください。

使用酵母

酵母とは発酵の母という意味で、これがなければ日本酒は造れません。昔は「家付き酵母」と呼ばれる、酒蔵に棲んでいる酵母が自然に繁殖して酒が できていました。現在は財団法人日本醸造協会が頒布している酵母、「協会酵母」が広く使われています。当蔵では、九号系、七号系、アルプス系の三種を主に使っています。

酵母形態

酒母(「もと」ともいう)の造り方です。生もと、山廃もと、速醸もとなどがあります。

もろみ日数

もろみとは、酒母、米麹、蒸米、水をタンクに仕込んだもので、搾るまでの日数を表示しています。吟醸酒は概ね30日程度ですので、酒母や麹を造 るところから数えると、蔵入りから2ヶ月ほどで新酒ができる勘定になります。

粕歩合

もろみから清酒を搾った粕の割合です。100kgの米を仕込んで40kgの酒粕ができれば、粕歩合は40%です。普通酒では、30%以下です が、ものによっては50%を超えますので、ほんとにお酒は贅沢品ですね。

アミノ酸度

アミノ酸の量です。多いほど、旨味の多い酒ということになります。

杜氏

酒造りの最高責任者です。蔵元(メーカー)が杜氏に酒造りの全権を委ね、その年の酒を造ってもらいます。昔は杜氏と言えば、冬場に仕事の少ない 農村、漁村ではスターで、畏敬と羨望を持って見られたものですが、杜氏たちの出身母体である農業、魚業の衰退に伴って、杜氏を志す若者たちは減っ て行っています。蔵元が杜氏を兼ねるところや、請負ではなく、蔵の社員が酒を造る蔵が年々増えてきています。

ヒエラルキーのトップは杜氏ですが、頭(かしら)、?(もと)屋、代師(だいし) など職掌は細分化され、それぞれの呼称で呼び合いますので、小さい頃はそれが彼らの本名だと思っていました。

製造年月

酒の表示を読み解く2

正確には詰口と言って、その瓶に詰めた年月を表示しています。日本酒は管理さえしっかりとしてやれば、熟成させることができるので、賞味期限は原則的にありません。